子どもがいないを表わす言葉”ノンファン”の提案

エスリンクスHPや書籍『「子なし」のリアル』からの一部引用ですが、子どもがいないをひとことで表すことばが欲しい~と思った背景や理由です。

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「(性別や未婚・既婚などを問わず)子どもがいない人」を意味する「ノンファン」という言葉の提案と、
その言葉を広めたいということは、SLINKSの活動を始めたひとつの理由、
そして本を出すことを決めた大きな理由でもあります。

ノンファンはフランス語でNon-いいえ、Enfant-子ども、の意味で文法的には成立していない造語です。しかし英語やフランス語に通じた人にはそのニュアンスが届く言葉であり、響きの明るさも備わっています。

こうした言葉を提案したいと考えた背景には、日本人特有の造語や略語を好む文化があります。
例えば「アラフォー・アラサー」「婚活」「草食系」「バツイチ」。
日常的にこうした言葉が使われることによってその存在が広く認識され、また使いやすくなったということがあります。曖昧な言葉や略語によって当事者にとっても相手にとっても会話がしやすい点が新たな造語の長所として挙げられるのではないでしょうか。

子どもがいる人が会話の糸口になればと思って子どものことを話題にした時に「いない」と言われてしまうと、お互い気まずい思いをしてしまうことがあります。
そんな時に「ノンファン」の使用は、「いない」という否定の言葉がないため心理的にも使用しやすいと考えられます。

また子どもがいない人にとって、サービス等の申込で子どもの有無を告げる場面での心理的抵抗感を和らげる効果もあります。
子どもがいない人それぞれではありますが、子どもの有無を告げる際のやりとりが苦痛に感じる人もいるはずです。

ノンファンの言葉があれば、子どもがいる人もいない人にとっても、特に初対面における会話においてスムーズなコミュニケーションが今よりは図れるのではと思います。
生活に関連した子どもがいないシニアに特化したサービスの充実も今後益々求められます。
その場合にもノンファン向けと謳うことで、子どもがいない人も利用しやすく、提供する側もサービスを提示しやすくなると考えられます。

他にも新たな造語「ノンファン」によるメリットはたくさんあります。
子どもがいない方が子どもへの虐待や子どもの貧困などのニュースに心を痛めたり、保育所の問題に関心を持ったりしても、子どもとの接点があまりないためどのように協力できるかよく分かりません。
育児サポート、育児ボランティア、子ども向けのイベントのボランティア。
もし子どもの有無を問わないのであればこうした人員の募集案内に、「ノンファン可」等のことばがあると、参加へのハードルが一気に下がります。子どもとの接点も増え、協力もしやすくなります。

こうした理由からやんわりと「子どもがいない人」を表す「ノンファン」の言葉を提案したいと考えました。

言葉を広めるためにもSNS等での発信もしていただけたら幸いです。